悠パラ日記【38】Palau Cup ②

(2024/09/25)

みなさんこんにちは、パラオ滞在中の仙田悠人です。
いつも悠パラ日記を読んでくださる皆さんありがとうございます。

今回も引き続き”Palau Cup”に関しての情報をシェアしていけたらと思います!今回は何を願ってパラオカップを企画したのかということを書きたいと思います。

僕が今回、ナショナルカップを始めたことには次の思いがあります。それはパラオにある16州がそれぞれにアウトリガーを持ち、レースをすることです。また、16州の代表のセーラーが一同に会してレースをすることももちろん目標です。

現状、パラオを含めたミクロネシア諸島ではアウトリガーに関する団体は山ほどあります。その中で、パラオがアウトリガーに関する知識・技術の普及が遅れていることは否めません。パラオには伝統的な航海士セサリオが住んでいるのですが、彼は偉大な航海士なのです。つまり、ハワイのような商業化・マネジメントに関する分野には明るくないので、その点でパラオはアウトリガーに関しての普及はそこまでないように思えます。これまでそういった運動はちらほらとみられたようですが、そのどれもが頓挫しているのです。そこで、どの団体が「持続的」にアウトリガーに関しての分野を担えるかは一つの競争のように思えます。つまり誰が”First Pie”を取るのかということです。(悠パラ日記だから言えること)

もともと、パラオ人にとってはメリットしかないような話なのです。

1伝統文化継承
パラオでアウトリガーのレースをすることはいいことがたくさんあります。まずは、伝統を守ることです。僕は自分は日本人だから日本についてパラオの皆さんに伝えることができると思っていました。しかし実際はパラオに来て、日本について語ることが何もできなかったことに自分へ失望しました。パラオという太平洋の島国に住んでいるパラオ人がパラオの文化であるアウトリガーの操船技術や星に関する航海技術、また製造過程を誰もが知っておくことは出自を語ることができるという観点でとても大切なのです。ただ単に文化保護の観点からというだけではありません。

2運動
そして、健康にとっても良い運動になります。アウトリガーに乗船している時にはとてもいい運動になるのです。過去にはパラオ共和国は世界で2番目に肥満率が高い国に上り詰めていました。その現状は今もあまり変わっていません。すべての州でアウトリガーの練習をし、時にはアウトリガーで釣りを楽しみパラオの伝統が身近にある生活をできることは太平洋の島国出身のパラオ人だからできる運動なのです。

3環境
また、風だけで進むカヌーはヨット同様に非常に環境への負荷が少ないのです。
風がなければパドルで漕いで帰ることもできます。パラオという国で、排気ガスや騒音を出すことなく究極の意味でエコフレンドリーなスポーツや移動手段の一つがアウトリガーでありセーリングなのではないでしょうか。

そのほかにも様々な理由を挙げることができます。しかし、何よりも16の州が一度にスタートして競い合う楽しそうな光景が想像できるからこそ僕はナショナルカップを創設しました。

我々はNPOです。営利を追求するのではなく、純粋に文化やセーリングの素晴らしさをパラオの皆さんにお伝えできるためにこれからも活動していきたいです。生活が保障されていて、営利なく常にPSAのことを考えれる私の立場だからこそ、パラオに沿ったセーリングの普及というものを教えていく必要があると考えています。

▌先週2024/09/21ー22の練習
アウトリガーの練習がありました!!
アウトリガーが2艇ほど練習と調整をするためにスコージョーを訪れました。OPの練習だけでなく、アウトリガーをはじめとして色々な船に乗って欲しいものです!!子供達はとても楽しんでいる様子でした!!僕は数回すでに乗っているので、だいぶ操船に離れてきた感じがします!!ウェザーヘルムバチバチです!!笑

▌船底磨き
日頃、練習で使っている船は砂や泥がどうしてもついてしまうので船底に細かな傷がついてしまいます。日本のようなラックがあるわけではなく、コンテナの中にバラ積みで保管していることも起因しています。(外に置くと盗難の可能性はゼロでないホットスポットにコンテナは位置しているのです。)レースの前というきっかけに船底を磨くことで子供達が船を大切にする気持ちを持つきっかけになればと思います!!