灼熱の太陽が照りつける横浜でパラオのジュニアセーラーが躍動
(2025/7/13)
7月13日(日)、横浜のみなとみらい(臨港パーク)地区で開催された「第38回横浜港ボート天国ディンギーレース」に、パラオからやって来た4人のジュニアセーラーが参加。灼熱の太陽の下で、日本のジュニアセーラーとともに元気にセーリングの腕を競い合った。
8日(火)に来日したSaku Niro(14歳/サク)、Zenryu Idip(13歳/ゼン)、Shinryu Idip(12歳/シン)、Kai Umemoto(11歳/カイ)の4人は、いずれも昨年に続いてこのレースに参加。9日から横浜ベイサイドマリーナで練習を重ね、本番のレースに臨んだ。
ところでこのレースは、横浜港内で実施されるという、とても珍しいヨットレースだ。「海に親しみ、遊んで学べる、マリンイベント」というコンセプトの下、このレースをはじめ、各種ヨットレース、体験試乗会、横浜開港祭、ボートショーなど、横浜港やその周辺でさまざまな関連行事が年間にわたっていろいろと行われる。このディンギーレースの際に全体の開会式が実施されているように、横浜港ボート天国の中でもとても重要なイベントとして、長きにわたって開催されている。
13日にはディンギーレース以外に、クルーザーヨット無料体験乗船が行われたほか、単独無寄港無補給世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」に参加した、白石康次郎選手のヨット〈DMG MORI GLOBAL ONE〉も横浜港内を帆走し、横浜港の海の休日を大いに盛り上げてくれた。
さて、10:00から開会式や準備を終えたあと、パラオからの4人を含む21艇が参加したレースは12:00からスタート。風速は最大で5~6m/sほどであったが、途中、風が一気に弱まったり、シフトも非常に多く、選手たちにとっては大変難しいコンディションとなった。
合計3レースが実施されたが、パラオのジュニアセーラー4人はすべてのレースに完走。特別表彰を受けたKai Umemoto選手をはじめ、昨年に比べると、みな技術が大変向上しているというのが、その走りを見れば一目瞭然であった。一方、パラオのジュニアセーラーにとって、洋上での「風待ち」というのは、ほとんど経験がないのだそうだ。そんなせいもあってか、4人ともレース後半は少し疲れも見られた。
レース後の表彰式では、パラオの子どもたちから日本の子供たちへのプレゼント贈呈がおこなわれるなど、セーリングを通じての「国際交流」を図る素晴らしい場となったことがうかがえる。願わくば、次回は日本のジュニアセーラーたちにも、今度は美しいパラオの海に場所を変えてセーリングしてほしいと思う。Palau Sailing Associationと日本パラオ青少年セーリングクラブでは、来年の3月に、パラオの海でのジュニアセーラーの交流イベント(レース、ピクニックセーリング)を計画している。今回のレースに参加したジュニアセーラーはもちろん、それ以外の全国各地のジュニアセーラーにも、ぜひパラオでのセーリングを体験してほしい(問い合わせ:JPSYC)。
パラオ以上に暑い日本の夏。その暑さを熱さで吹き飛ばしてしまうかのような、日パ両国のジュニアセーラーたちの姿に、大いに元気をもらった次第だ。
[上位成績表]
●総合(21艇)
1位 穴井 翔(横浜市民ヨットハーバージュニアヨットクラブ)
2位 寄高浬空(横浜市民ヨットハーバージュニアヨットクラブ)
3位 石川凛乃(横浜ジュニアヨットクラブ)
●小学生の部(参加8艇)
1位 大嶋璃音(横浜ジュニアヨットクラブ)
2位 中島幹太郎(横浜ジュニアヨットクラブ)
3位 高野 光(KMC横浜ジュニアヨットクラブ)