海の童(うみのこ)達の遠足
-爆風のヨコハマへ-
パラオの子供たち9人が来日し、7月9日に横浜で開催された「第36回 横浜港ボート天国ディンギーヨットレース」にオープン参加させていただきました。
この大会は、横浜市内にある3つのジュニアヨットクラブを対象にしたOPクラスのヨットレースです。
横浜港、みなとみらい前の海面から一般船舶を閉め出してプレジャーボートに解放するというこのイベント。新型コロナ開けで3年ぶりに開催された昨年に続き、第36回となります。
パラオからの一行は7月5日、付き添い4名と共に成田着。
横浜ベイサイドマリーナで練習し、7月9日にレース出場。
これがまた強風で。いや、南西の風なので開会式が行われた横浜みなとみらいの臨港パーク前はビルの影になって穏やかに見えるのですが、レース海面はなかなか手強い風でして。
パラオの子供たちは15ノット(7.5m/s)までの風でしか練習しておらず……。
参加25艇にオープン参加のパラオ勢9艇合わせて34艇。
3レース行われ、3レースとも完走したのが15艇。日本勢も特に小学生にはちと手強い海面だったようで。
レースを終えたパラオ勢、
「今日のレースはどうでしたか」
「惨敗です」
とのこと。
ヨットって、手頃な風と穏やかな海面なら適当に舵をもっていれば走っちゃいますからね。
ところが、風や波次第で次々に乗り越えなければならない壁が目の前に立ちはだかる。これがまたギリギリ乗り越えられる壁で。そこがヨットの面白いところなわけで。
1レース目リタイアして引き返してきた子のうち4人は「くやしい」とヨットを直して再びレース海面に向かっていきました。イイゾイイゾ。
パラオで彼らにヨットを教えていた仙田悠人さんはJICAを通しての正式派遣が決定。
現在は日本でJICAが行う自分自身のトレーニングに励んでいるところですが、ここはそんなのほっぽり出して横浜にかけつけ、練習からずっと帯同しての熱血コーチぶり。10月からの正式赴任に向けて課題を抽出し子供たちと共にやる気マンマンなのであります。
大会には在日本パラオ大使館のトップであるピーター・アデルバイ特命全権大使も応援にかけつけていただきました。