悠パラ日記【26】紙飛行機に夢を乗せて

(2024/06/04)仙田悠人

紙飛行機
6/1(土)の練習で、紙飛行機を飛ばしました。目的は子供達にCOEの調整と、揚力によってヨットは動いているということを理解してもらうことです。
紙飛行機を折ることはあまりないようで、折り方がわからないところからのスタートでした。しかし、この練習の主眼は紙飛行機を折ってからがスタート。紙飛行機の重力の中心と揚力の中心をクリップの位置によって調整してまっすぐ飛ばすことがゴールです。

「揚力」という原理もパラオの小学生には新しい概念だったようで、一つ彼らの知識が増えました。飛行機とヨットが同じ力学を使って動いていることを学ぶと、とても驚いたような様子をしていました。実際にクリップを動かして調整する際には、さすが男の子、夢中になって試行錯誤を繰り返します。なかなか真っ直ぐ調整するのが難しい子は年上の子達が調整方法を教えてくれている様子も印象的でした。

セッションの最後には全員で誰が一番遠くに飛ばすことができるのかの大会を開きました。各々の調整の成果が試される時です。真っ直ぐ飛ぶように調整したにも関わらず、様々な場所に飛んでいく紙飛行機たち…。でも飛ばすたびに再調整を繰り返す行為それこそが紙飛行機を使ったセッションの目的です。トライアンドエラーを繰り返して、試行錯誤で自分の艇を速くするという行為に繋げてもらえることが狙いだったので成功したといえるのではないでしょうか…。

エンジンの修理
このところエンジンが調子が悪いのです。しかし、僕はエンジン修理の経験はありませんし、パラオで正規ルートに修理を依頼すれば時間とお金がとんでもなくかかってしまうのです…。
これはなんとかせねばということで、YouTube先生に頼ったり、知り合いの方々に助けてもらいながらエンジンの勉強を始めました。

状態を素人ながらに調べてみたところ、エンジン内部の定期的なメンテナンスや掃除がなされていないので電食を起こしている可能性がありました。
また、エンジンが定期的にスタートしないこと、排気がされないようになっていることからスタート系統が悪くなっているということもわかりました。

ということで平日はキャブレーターを専用の洗浄スプレーにて内部洗浄を行なったり、しおしおのエンジンを拭き掃除をしたりとエンジンに使う時間が多かった週でした。また、エンジン水循環冷却のために海水が通る場所に水を通すことでエンジンの音が安定したように変化しました。

現在はダイビングショップ専属のインド人メカニックが僕の師匠となっています。新しいことを学ぶ良い機会ですのでたくさん質問して、PSAの練習環境を整えていきたいと思います!

ちなみに、日曜日の午前中には作動するエンジンがなかったので手漕ぎボートで子供達を追いかけ回して練習をしました(笑)。微風だったのでヨットよりもスピードが出ましたが、腕の筋肉は、、、やられました。練習時間を確保できたのでヨシです。

スタート練習
6/2(日)の練習では良いスタートを切る練習をしました。
ヨットレースの中でも勝敗の8割を占めるともいわれるスタートの技術は簡単に会得することはできません。ヨットは海上で行うスポーツなので、陸の自動車のようには止まることができないことが一つの原因です。きれいに定位置を守るということが練習の初めはできませんでしたが、徐々に練習を重ねていくごとに上達を見せてくれました。

また、ヨットのスタートラインは目に見えないということもスタートの難しさの理由のひとつです。
海上にアンカーで固定された本部船上の旗とブイを結ぶ線というスタートラインは他の競技にあまり例を持たない独特のスタート風景です。見えないスタートラインからなるべく近くに止まってスタートをフルスピードできるというのが理想のスタートです。しかし、どこまでスタートラインに近づくことができるのかの感覚を養う必要があります。これだけは練習あるのみ!本部船代わりのゴムボートから、自艇からスタートラインまであとボート何個ぶんのスペースがあるのか逐一教えながらの練習でした。
おかげで声はカスカスです。