悠パラ日記【35】Sonsorol Cultural Note ②

(2024/9/3)仙田悠人

Emaho nimarieri!(Good morning ソンソロール語)今週も悠パラ日記、ソンソロール文化週間継続中です!

言語

言語は民族を表す要素のうちの一つです。Sonsorol(ソンソロール)の人々にとっても重要なアイデンティティの要素であり、特に移住先(グアム・サイパン・米オレゴン州・米ポートランド等々)で自分たちの文化とアイデンティを維持するために重要な役割を果たしています。移住先では特に、子供たちが異なる国で育つことが多いため、言語の維持が困難なようです。しかし、故郷の島々では、言語は今でも強く存続しています。ミクロネシアでは海を隔てた異なる民族の”お隣さん”がたくさん住んでいます。決して特徴的な文化をひとえに海洋民族と区分することはできません。海洋民族の言語が文化的アイデンティティを維持するための鍵であると僕は認識しています。

言語は私たちの思考や世界観を形作る力強い媒体であり、歴史や社会的現実を伝える手段でもあります。Sonsorolの言語は、MerirやPulo Anna(メリル島・プロアナ島ともにソンソロール州)の方言**と関係が深く、これらの言語はミクロネシア連邦ヤップ州Ulithi(ウルシ)で話される言語と大きな類似性を持っているようです。また、Sonsorolの言語はChuukese言語群*に属し、Chuuk(チューク)、Palau南西諸島(ソンソロール・ハットビ)、そしてYap州(ヤップ)の言語と関連しているようです。

*Chuukeseはミクロネシア連邦チューク諸島における言語です。
**メリル島・プロアナ島はソンソロール州にありながら違う方言というのはさらに興味深い!!

したがって、ソンソロール人はヤップ州ウルシからきたのだろうと推測ができますね!言語の期限を探ることで、ソンソロール・ハットビ(以下、南西諸島とする)に住む人々がどこからきたのかがわかってきますね!ソンソロール人がヤップからきたのではないかという仮説が裏付けされていくところが実に興味深い!!しかも、海流からの仮説アプローチが言語の側面で補強されるというのがまた…いい!!

今日、Sonsorol語を話す人々はおおよそ300人と推定されており、話者は故郷の島や世界各地の移住先に散らばっています。故郷の島では、日常的にSonsorol語が話されており、言語の重要性は今も変わりません。しかし、島を離れると、外部の影響を直接受けるため、言語の使用が少なくなります。さらに、子供達は、パラオ本島の子供達と同じように英語を話しています。こういった理由でソンソロール語はEndangerd laungage(消滅危機言語)に指定されているのです。
一部のSonsorolの人は、Sonsorol語をアイデンティティの主要な基準とすることはもはや難しいと考えてるようです。移住先で言語を完全には話せないSonsorolの人々も、依然としてSonsorolの人々であると認識されています。では、何が彼らのアイデンティティとして残されてゆくのか。彼らの民族としての生存深く考える時であることは間違いありません。

週末の練習

9/3(土)の初心者コースはレースで使われる信号旗の復習をしました!一年前と同じようなことをしていると、アドバンスセーラーの子供達の成長を感じます!と同時に、パラオに滞在する時間があと残りわずかな時間であることが頭によぎってきます…。

日曜日の上級クラスは軽風の中、基礎的なタックとジャイブの練習をもう一度始めました。基礎を上質なものまで固めてレースで自身の思い描くコースを描けますように!

また、”セーラーには哲学が必要だ”と先日会ったアイルランド人のCillianが言っていたので、上級クラスの子達に彼が14歳の時におじいちゃんから出された哲学的な問題をシェアしてみました。

”Somethings mean something, other things mean nothing, the hard things to figure it out is what means something & what means nothing”

生徒は哲学の迷路誘われたことでしょう…。

また、彼らに僕の哲学もシェアしました。なぜかといえば、彼らはレース中に他の子についていくコースどりをしてしまいます。そこで、ヨットは人生のようなものであると説きました。人には人のタックのタイミングがあって、人生も自分のタイミングで紆余曲折・判断しなければならない。だからヨットも自分が思い描くコースを走るんだよ!という具合です。。。あなたもヨットの哲学・美学があるでしょうか?