悠パラ日記【その5】一旦帰国、10月に戻ります

(2023/04/26)

この世界は常に生きる意味を伝えている
風の香り、海の果てなさ、波の短い命
雲の芸術、椰子の木の影、別れを惜しむ夕陽

自分という環世界を通してどんなメッセージを伝えてくれるのか
一日で起承転結がある時も、一生かけて気づく縁の意味も
未完成な物語は今日も紡ぎ出されて、僕を魅了する

素晴らしき人生、生きる喜びをありがとう

好きだよ、僕の人生。

こんにちは、パラオに7週間滞在させていただきました。仙田悠人です。
先週の活動報告をします。

先週フォーカスしたのは僕が24日にパラオから一時帰国するため、「僕なしの期間の練習」を考える事でした。「Safety First 」を基盤としつつも、子供たちに練習の飽きがこないように練習を組む事はなかなかに難しいものです。日本のような厳格安全基準は必ずしもパラオに適応するとは思えません。とりあえず、完成した練習メニューを楽しんでもらって、7月に横浜開催予定の日本パラオ親善レースに向けて技術を洗練させて欲しいです。

金曜日は、練習する海面がサンゴが顔を出すほどに低い干潮でした。そこで保護者のお母さんのご好意から、子供達をお家に招いて頂き、動画を見て学習することになりました。その日は①世界には様々なヨットがある事②基礎の復習 の二点を伝えることが目標でした。モス級やアメリカズカップ、オリンピックのレースを見た子供達は、大興奮で「僕これに乗ってみたい!」「飛んでる!どうやって飛ぶの!?」と元気よく様々な質問をしてくれました。目を見開き、ワクワクを想いのままに口々に話し、ヨットに対する興味が深まった彼らを見て、ヨットマンの端くれとして大変喜ばしくおもいました。
1人の子にあと数日しかパラオにいないことを話すと、「先生そんなこと言わないで、僕寂しくなっちゃうから」と言ってくれました。可愛い!僕もこの子たちの笑顔をもっと見たいので、必ずパワーアップして戻ってくることを夕焼けに誓ったのでした。

最後の週は風に恵まれ、土日両日とも出艇することができました。
僕の不在時の練習のために、保護者の方にレスキューボートの運転の仕方を教えつつ練習をしました。どの保護者の方も、積極的に知識を吸収して頂いたおかげでなんとか日本に準ずるレスキューの仕方を教えることができたように思います。

土曜日の午前は、Earth dayで地域の婦人会清掃活動に呼んで頂いたので活動領域周辺の清掃活動にも参加しました。僕も婦人会の方に顔を知ってもらうことができて、今後の活動を「地域に」定着させるための一歩を踏み出すことができた気がしました。清掃をしていると、ワニの亡骸が海から流れ着いてきて、子供たちは大興奮していました。まさにパラオという感じですね……… (*練習会面にはワニが泳いでいることはありません。)
午後も船にのる子を交代しながら海に出ました。子供達はOPに乗る友人に対して、レスキューボートから客観的な視点でアドバイスをして、お互いを助け合いながら練習をする姿を見せてくれました。

日曜日の午前は、保護者の方に出艇前の船の安全確認を教えて実際に確認してもらいました。親御さん方としても、習い事に送り出すだけでなく子供達と一緒に行う活動をする楽しさを知って頂けたのではないかと思いました。
ヨットは他の習い事と違って保護者が海の上で見守ることはできません。だからこそ陸で子供達には理解が難しいチューニングやセッティングを存分にしてあげて、あとは子供達の活躍を祈ることしかできないのです。僕はこれを人生と同じように思います。つまり、子供のうちしか彼らに手をかけることはできず、一度社会に出ればあとは幸せな人生を願うことしかできないということです。ヨットは素敵な習い事です。

午後はマークラウンジをして、今後の練習を実際に試して貰いました。まだ彼らはタクティクスを知らないので、なぜ反対海面に行った仲間に負けたのかなど、疑問を持って練習をしてくれたのではないかと思います。コーチ不在の中でただヨットに乗るだけでなく、パラオにあまりない競争という観点から疑問の発現を促してヨットを楽しんでほしいという作戦です。マークタッチした子にはペナルティがあることを知った子供達は、友人がDisqualified するのを注意深く見張りあっていました。しかし、友人に気を取られて自艇のスピード止めてしまうおっちょこちょいな一面も見られました。

着艇後は保護者の方が出艇中にカレーを作ってくださったので、全員で頬を膨らませながらせわしなく匙を動かして食べました。実家に帰ったかのような安心できる美味しい味で、急に日本が恋しくなりました。お母さん方が持ち寄ってくださったマカロニサラダや春巻き、タコビーンズもとても美味しかったです。

食事後は僕が子供達と親御さんに感謝の気持ちを英語で伝える時間を設けて貰いました。カタコトの英語で、不恰好なメッセージでしたので、自分の英語力に不甲斐なく感じました。しかし、子供たちは僕の意図をなんとか汲み取ってくれようと真剣に聞いてくれたので、嬉しくて涙が出そうでした。とても良い保護者の方々にも恵まれ、この7週間の滞在を有意義に過ごすことができたこと、本当に嬉しく思います。控えめに言って最高の時間でした。

僕が一時帰国する一つの大きな理由として、JICAの語学研修を受けるということがあります。しかし、そこに留まらず、本派遣の前にパラオに訪れたアドバンテージをフルに活用して、パラオと日本を繋ぐためにできるスキルを身につけたいと考えています。

パワーアップして10月にもう一度パラオを訪れます!!
See you later!!