悠パラ日記【その3】 強風につき

(2023/04/10)

パラオは 1 ⽇のうちに激しいスコールと澄み渡った⻘い空に虹がかかる。そして⼣⽇は穏やかに⽔平線へと隠れていく。熱帯の気候はまるで⼈間の感情の移り変わりのような美しい起承転結をもつ。この地に⾝を置いていると、⾃分の感情さえも 1 ⽇の終わりごろには結末を迎え、穏やかな気持ちで眠りにつくことができる。

Alii パラオ滞在中の仙⽥悠⼈です。今週も活動報告をさせていただきます。
今週は政府より天候に関する注意報が発令されたり、イースターがあったりと活動できる⽇程が限られました。実際にヨットを知らないパラオの⽅にはただ⾵が強いと思うような9メートルクラスの⾵が吹いて、私がパラオに来てから⼀番強い⾵を体感しました。

⼦供達は強⾵について怖がる⼦は少なく、むしろいい⾵が吹いているからセーリングしたいとお⺟さんから報告を受けることが多々ありました。しかし、安全⾯や技術⾯を考えると数⼈の⼦は⼼苦しい思いでしたが、艇数に制限を設けて練習した週でした。いつか彼らが強⾵で躍動している姿を⾒れる⽇を楽しみに待っています。
強⾵コンディションでは、⽇本でのレース経験がある⼦を中⼼に練習をしました。出艇するやいなや、⾵をつかんだ⼦供達は颯爽と海へと駆け出していき、待ちに待った⼤⾵を楽しんでいました。全⾝に⽩波を被りながらもハイクアウトで⾝を乗り出し、⽩い⻭を輝かせてセーリングをする喜びを体現してくれました。ダウンウィンドでは沈ギリギリを攻めてアンヒールをかけて接⽔⾯積を減らして帆⾛スピードを追求しましたが、何⼈かの⼦はスピードを求めすぎて安定感を失い沈する⼦も出ました。


7 ⽉の⽇本で開催される親善レースに向けて、まだまだ⼦供たちが学ぶことはたくさんあります。今週は何を学べばレースで勝つことができるのかを保護者の⽅に⼿伝っていただきながら⼦供達に座学しました。集中⼒が続かず、席を⽴って歩いてしまう⼦や、積極的に質問をする⼦など、様々な⼦がいながらもなんとか三⼗分の座学に耐えてくれました。来週は帰国までの少ない時間で⼀つでも⼦供たちに伝えることが多くできるように準備をしっかりと⾏なって、練習に備えようと思います。