悠パラ日記【その8】大風は人を大きくする

(2023/11/22)

強風を前にワクワクするようになったのはいつからだろうか。

街中で風の触れを感じようとしたのは、いつからか。

そして彼らは風の中に自分の輪郭を見出した。

 

読者の皆さん、こんにちは
今週も悠パラ日記始めますよ!

先週末18日〜19日は2日とも強風シリーズということで、西風10〜16knotのガスティーなコンディション。パラオの子供達にとって強めの風が吹いてくれました。
かなりサバイバルなコンディションとして捉える子もいれば、満面の笑みでハイクアウトやスピード感を楽しんでくれる子もいます。強風下の風圧が彼らの興奮を昂らせ、解き放たれたかのように船までみんなダッシュで駆け寄りました!この強風をみんなが首を長くして待っていたことが伺えます。

海上では帆走と短めのレース(ゲーム)の二つの練習をしました。
帆走の目標はテルテール(風見)を合わせて走ることで、かなり初歩的なところです。しかし、これがかなり難しいのは、みんながパラオの美しい海に見惚れてテルテールを合わせることを怠ってしまうからです…。
また、短いレースゲームでは僕が投げたボールを最初に取った子が勝ちというルールで行いました。このゲームは目標に対してどのようにアプローチすれば最短距離か、または権利をどのように使うのかが鍵となるものです。さらに1ゲームが短いので、スタートラインを素早く作る練習にもなるのでまさに1石2鳥。とても効率よく上達し、楽しんで誰もがゲームをしてくれたように見えました。

陸上では、毎週お母さんとアナベルさんがロープの結び方やスタート前の信号旗に関してレクチャーしてくださっています。
ロープを早く結ぶことで安全の確保にもつながりますし、様々な結び方をヨットマンとして学び、いつか生活で役に立って欲しいところです。
子供に反復練習でスタートの旗を教えてくださっているので、安心してレースに出せる?(子供次第)かなと思います。陸上をお母さん方に任せられるので、海上の練習を思いっきりできています!ありがとうございます!!

また僕が主催している座学では、答えに確証がなく上目遣いで慎重に答える子も中にはいます。そんな子が正解だよと伝えてホッとするときの表情がたまらなく可愛いのです…。間違えても許せてしまうくらいです(いかんいかん)。
そして、練習終わりにハグをして感謝の意を伝えてくれる子もいます。たとえ練習中に話を聞かない子だとしても、練習終わりにはそのハグで全て許せてしまう…ズルかわいい子の報告でした。

今週のMVPはと聞かれれば、低学年のセーラーだと僕は胸を張って答えます!半年前まで、強風は怖がって出艇もしなかった子たちに今は彼らを信じて出艇させています。
そして出艇から着艇までを自分たちで全てできるようになりました。これはコーチとして今週とても誇らしく、嬉しく思ったことでした!

今週のタイトル通り、「大風は人を強くする」のだなと改めて感じるとともに、彼ら自身も強風で箔(自信)が付いていることを実感した週末だったのではないでしょうか。

仙⽥悠⼈

2023/11/18-19の公式活動レポートは→こちら(pdf)