悠パラ日記【その4】 この綺麗な海の真ん中でセーリング愛を叫ぶ
(2023/04/17)
海⾯では⼩さな⾶⿂の群れが透き通った体に陽光を通わせ、宝⽯と化した⾝体で⽬前を⾶⾏する。海底ではシャコ⾙の仲間は昼間でもオーシャンブルーの唇を輝かせる。
ビーチの潮が引けば、⼩さなカニが⼀⻫にお隣さんの安否を確認し、ナマコは潮の引き具合を本能で知っているのか、1匹残らず深いところまで退散して⾏った。
ブイを落とせば数時間のうちにロープに卵が産み付けられる。
この地では⼈間が⾃然の中で活動するというニュアンスではなく、常に⽣命の息吹を隣に感じながらも「活動させてもらう」という⽅が正しい。
⾃然界の当たり前を思い出させられる。
今週からセーリングをアクティビティとして楽しむだけでなく、スポーツとして上達させるように朝昼⼣のミーティングを追加した練習を開始しました。いきなりセーリングを「The 座学」として学習をするのはパラオの⼦供達にとっても僕にとってもハードルが⾼いと感じたので、お⼿本動画と私が海で撮ってあげた⾃分の動画の相違点を⾒つけるという⽅法で技術向上を促すことにしました。⼦供達は⾃分が上⼿くできないことを恥ずかしがることなく、課題点を⾒つけ出しては私に教えてくれました。
今週の課題は中⾵域までのロールタックを習得することでした。⼟曜⽇の午後からロールタックの動画を⾒て練習をし始めたにもかかわらず、⽇曜⽇の午後の練習の際には加速はまだまだですが、動きは様になってきた⼦も出てき始めました。もちろん彼らには、タックに関して 45 度から 45 度に正確にタックできることなど、まだまだたくさん課題あります。しかし、⾃分の姿とお⼿本(規範)を⽐べて⾃⼰分析をすることができるようになれば、彼らは着実に成⻑してゆくことでしょう。
⼟曜⽇は⽔深の深い場所で沈起こしの練習をしました。友⼈が沈起こしに⼀所懸命に励んでいる姿に対して、⾒守る⼦供達は⾃分が出せる限りの声を持って応援しました。沈起こしができた際に⾒守った全員で検討を称え合う光景は、とても素晴らしいものです。たとえ沈起こしでさえ彼らにとっては新鮮な⼀⼤イベントとなり、そのような純粋な⼼を持った彼らと接しているとその場にいる⾃分までも少年時代の純粋な⼼が蘇る⼼地がしました。
学校帰りの⾦曜⽇の練習中、少し⾵が強くなり、アビーム帆⾛中のボートスピードが上昇しました。すると⼦供達が「セーリング楽しい〜!!」と叫びながら満⾯の笑みで船を⾛らせるので、私も思わずこの綺麗な海の真ん中でセーリング愛を叫んでしまいました。
全⾝に⼀瞬で酸素が供給されるような強い⾵が通りぬけ、その爽快がスピードへと変わるあの感覚をパラオの全ての⼦に体感してもらいたいと思っています。
練習中は保護者の⽅々が活動している場所周辺の掃除をしてくださって綺麗な環境を整えてくださいました。他にもトランシーバーをお貸し頂いて陸と海の状況確認を近密になるようにしたり、活動に関するさまざまなアドバイスをして頂いているお陰で⽇々より良い活動ができています。いつもありがとうございます。