悠パラ日記【その19】可愛い子には旅を

(2024/02/20)

Alii !! みなさんこんにちは、パラオ滞在中の仙田悠人です。日曜日はまさにGreat Journey !さてどんな旅だったのでしょうか?今週も悠パラ日記よろしくお願いします〜

火曜日(2/13) ミューンズ小学校 Sara Sugiyama校長先生訪問
火曜日には我々Palau Sailing Association(以下、PSAと略)の活動しているミューンズ(Meyuns)地区の小学校へ校長先生にお話をしに行きました。パラオ近海で取れるお魚が壁に描かれた可愛い校舎の中で子供たちは勉強が終わり、遊んでいる中お邪魔しました。
今回の訪問の目的は学校の授業の一環としてセーリングに関する活動を取り入れていただけないかということを提案することでした。そもそもパラオにはセーリングというスポーツがないので校長先生にはセーリングとは何たるものか、またセーリングが子供達にとってどれほど良いスポーツか等について熱くプレゼンテーションさせていただきました。

とても好印象を持っていただいたのは間違いないと思います。
しかし、パラオの習慣では、ゆっくり時間をかけて関係者になる人々と段階を踏んで自己紹介するやり方が基本的であることを教わりました。書類を書いたからすぐにレッツゴー!と行うとそれっきり一回で終わってしまうよ。逆に、しっかり時間をかければパラオにセーリングを根付かせることが可能だよ。焦らずじっくりコトコト、そんなことを教えていただきました。

土曜日(02/17)
我々PSAにはとても可愛い三つ子が所属してます。土曜日は基本的に三つ子しか来れないので午前中から海に出て、三つ子の特訓です。最近は集中的にこの三つ子に対して直接指導する時間が確保できているので徐々に成果が出始めています。最近はヘルム(注1)についても理解が進んできたので、体の動かし方がヨットマンのそれっぽくなってきました!

この三つ子、みんな一斉に僕に喋り出す可愛い瞬間がしばしばあります。しかし、僕も聖徳太子ではないので、困ってしまします。けれど、この可愛い瞬間を少し待っている自分もいて嫌いじゃないんですよね…笑。また、初期の悠パラ日記にも書きましたが、嬉しい時や感謝を表すときにはハグをしてくれます。なんと…癒されますよねえ。いい子に育ちました!

日曜日(2/18)
日曜日は1日を通して4人ほどの参加者しかいませんでした。そこで、教え子からかねてよりリクエストがあった遠出をしてみることにしました。僕自身も移動手段としてのヨットとして子供達にOPを使わせてあげたいと思っていたので、需要と供給がマッチです!!なかなか日本では航路等様々な問題でできないのです。さて、彼らは無事完走できたのでしょうか!?

目的地は通称KBブリッジ(日本パラオ友好の橋)に設定。直線でこそ5キロ、車では8キロ、ヨットではのべ…何キロだったのでしょうか。当日の風は平均16knotの強い風、万全の艤装を施していざ橋まで出発です。少しきついのでは…いや、「可愛い子には旅を」ですよ!!
行きが向かい風のアップウィンドということでハイクアウトしっぱなし、途中で休みを入れながらも徐々に目的地に近づいていきます。幸い、満潮になる潮の中での航行だったので珊瑚がセンターボードを傷つけることなく迂回することなく到着することができました。結局、ジグザグ往路は最初にゴールした組が2時間、最後の子は2時間50分ほどで無事に到着することができました!!本当にすごい!!!

少し休憩を挟んだ後に、潮の満ち引きの関係上すぐに帰路へ着きました。橋にはたくさんのパラオ人の方々が居られて、いいプロモーションにもなりました!!
帰路は行きと違って直線に進めます。途中休憩を入れながら1時間15分で到着、無事冒険を終了させることができました。子供達はやり切った表情で満ち溢れ、早くも次の遠出先の島について話していました。(笑)

OPヨットでこんな遠くに行った、そんな経験をした子供たちは世界にもそういないのではないでしょうか。本当にすごい旅です。とてつもなくいい経験をして、自分で行って帰ったということが彼らの自信につながり、もっともっとヨットを好きになってくれることを願った週末でした。

仙田悠人

-悠々用語解説—————
注1)ヘルム
ヘルムとは、セールの揚力中心点と艇の回転軸の前後位置の差などにより、風上側に進もうとしたり(ウエザーヘルム)、風下側に進もうとしたり(リーヘルム)、という力学的な原因による艇の“癖”であると、私自身は認識しております。
参考URL;ヘルムに関して