台風到来

[palau-13]

「日本-パラオ親善ヨットレース」のスタートは12月29日。横浜をスタートして南の島、パラオへ向かいます。

German Channel, Palau

筆者が初めてこの海域を走ったのは、今から38年前の1981年のこと。
11月10日に三浦半島シーボニアを出港。シドニーへの回航です。
小笠原に寄ってジェネレーターを直したりしてから、グアム島の近くまで来ているはずなんだけどなかなかランドフォールできず。
当時はGPSが無かったもので、雨がすごくて天測できずDFの登場。
これが11月20日。
で、ここから台風に突っ込んでしまいます。

そう、11月でも南の海上では台風が発生します。

台風の発生数

11月どころか、
発生日が最も遅い台風は……、12月30日。
発生日が最も早い台風は……、1月1日。

台風発生日時ランキング

休みは大晦日だけかよ~。

と、台風は1年中発生しています。

近年は地球温暖化の影響で大型台風が多発して……とよく言われますが、台風発生数自体は特に増えているわけではありません。昔っから。

台風の発生数ランキング

接近数ランキング

接近数をみても、近年とくに増えているというわけではなく、

いやいや、発生数というより巨大な台風が増えている……のかというと、

中心気圧が低い台風ランキング

と、逆に2000年代以降にランキング入りした台風はありません。
まあ、台風の破壊力は中心付近の気圧だけでは計れないとは思いますが。

これらの統計をもって「地球温暖化はウソ」とまでは言いませんが、すくなくとも、
「近年の地球温暖化の影響で、大型の台風が日本列島を襲う回数が増えている」
というデータはありません。


ご承知のように、台風は熱帯の海で生まれますが、赤道付近はコリオリの力が働かないため単に上昇気流となってスコールになるだけ。
これが、北緯10度から20度くらいになるとコリオリの力が働いて渦を作り。貿易風で暖かい海水が吹き寄せられる東経180度以西では渦が渦を巻き込んで熱帯低気圧となり、これが発達すると台風になる。

……ということで、パラオ(北緯7度20分)の近海では、台風の発生数は少ないのですが、無い訳ではありません。
先にご紹介した、『A Personal Tour of Palau』(Ann Kitalong著)でも、何度か台風で教会が全壊した話が出てきます。

まあ12月22日が冬至で、太陽は南回帰線の上。
ということは北太平洋では太陽の熱エネルギーは弱く、1月-2月は一番良い季節ではありますが、「パラオレース」では小笠原からもグアムからもかなり離れた海域を通ることになり、何かあっても逃げ込む港は無し。このあたりは38年前の自分の航海との違いですね。
台風にも十分に御注意ください。

お、沖ノ鳥島(20-25N/136-04E)の近くを通るのかな。
これまた、面白そう。

[palau-13]