Day06~07(20240315~16):レースは後半戦へ


3月15日(金)~16日(土)のレポートをお届けします。
上は、3月17日(日)01:00現在のレース参加3艇と帆船〈みらいへ〉の位置情報(トラッキングシステムによる)。
南下を続ける〈Zero〉(山田克弘オーナー)を、〈1122トレッキー〉(新田 肇オーナー)が追う展開が続いています。

 


古野電気が提供するトラッキングシステム「ichidake」のデータによる、〈Zero〉と〈11227トレッキー〉の船速の推移です。
緑が〈Zero〉、ピンクが〈1122トレッキー〉。
3月14日から15日にかけては両艇とも船足が伸びなかったようですが、15日後半から16日にかけて前を行く〈Zero〉から順に風が入ってきた模様。日付の変わった17日には、両艇とも7ノットを超える速度で南進を続けています。

ちなみに、トラッキングシステムによる17日01:00現在のパラオまでの残航距離は〈Zero〉が909海里、〈11227トレッキー〉が965海里と、いよいよ1,000海里を切りました。また、〈1122トレッキー〉が猛追し、両艇の差は約56海里にまで迫っています。

 


一方3月16日朝には、今回のレースにおける大きな動きがありました。
トラブルにより小笠原・父島を目指していた〈パルマII〉(瀧本秀人オーナー)が、16日8:30ごろ父島の二見港に着岸。8:34にはレース委員会が同艇のリタイアを確認しました。なお、乗員4人は健康で体調面の問題はないとのことです。

また、今回の〈パルマII〉の緊急寄港においては、同艇が父島行きを決めた時点から、小笠原ヨットクラブの菅野 修氏に大変ご尽力いただきました。さまざまなサポートに、実行委員会から厚く御礼申し上げます。

 


本レースではアイコムさんにご協賛いただき、衛星トランシーバー「IC-SAT100」を参加艇および帆船〈みらいへ〉に搭載。横浜の陸上本部との1日1回のロールコール(定時連絡)に活用しています。
この衛星トランシーバーは、イリジウム衛星による通信を用いたもので、陸から遠く離れた海上はもちろんのこと、全世界をカバー。1対1で話す電話とは異なり、発信者の声を、グループ登録した全員が聞くことが可能です。

嵐の中でも明瞭な通信ができたことは感動モノでしたし、やはり「声」が聴けるというのは、とても安心感があります。また、レース中の艇は、ロールコールで他艇の現在位置を聞き、海図に書き込んでいることでしょう。

結果的にリタイアした〈パルマII〉ですが、小笠原までの航海中、レース委員会と同艇は衛星トランシーバーで随時連絡を取り合うことができたので、とても安心でした。安全という部分で、やはり通信手段の確保というのは非常に重要な要素だと痛感した次第です。

このあとは風は弱めながらも安定した天候が続きそう。日本-パラオ親善ヨットレース2024の後半戦、〈Zero〉と〈1122トレッキー〉のマッチレースから目が離せません。

(文=実行委員会広報)