「日本-パラオレース2024」進行中

「日本-パラオ 2024」 進行中

2023年3月9日に公示が出た「⽇本-パラオ親善ヨットレース 2024」と、同4月2日に公示された「パラオ-沖縄ヨットレース 2024」は、2019年の暮れに横浜をスタートし無事終了した「2019-2020 日本-パラオ親善ヨットレース」に続く本格的な国際外洋ヨットレースです。

……と、各レースの名称がヤヤコシイので記事では、

「2019-2020 日本-パラオ親善ヨットレース」、を「日本-パラオ 2019」あるいは「パラオレース2019」

横浜スタートの「⽇本-パラオ親善ヨットレース 2024」 を「日本-パラオ 2024」
続く「パラオ-沖縄ヨットレース 2024」を「パラオ-沖縄 2024」
2024年に開催されるこの2つのレースを合わせて「パラオレース2024」と略して表記しています。

沖縄も“日本”だし、パラオ側からみると「パラオレース」というより「日本レース」なので、ちょっと変ではありますが。

「日本-パラオ 2019」は横浜港内のパレードから始まった

-猛者3艇が航く
前置きは長くなりましたが、この先記事を書き進めるうえで結構重要なことなんで。

で、
「パラオレース 2024」の公示が出てから約8ヶ月が経過した2023年12月末のエントリー締切時点で「日本-パラオ 2024」は最低開催艇数の3艇がエントリー。
1月末のレイトエントリー締切までに「沖縄-パラオ 2024」も3艇のエントリーを得て、「パラオレース2024」は2つのレースともなんとか開催にこぎ着けることができました。

6月には参加検討者向けのミーティングが開催されており、この時点では最終的には10艇近く集まるのでは……とも楽観視されていたのですが……。
なんたって「日本-パラオ」(約1,700マイル)で約10日。続く「パラオ-沖縄」(約1,200マイル)で約7日。
となると、横浜スタートの3月10日から沖縄(与那原)フィニッシュ予定の4月7日ぐらいまで。途中、パラオスタート(3月31日)までの滞在も含めると約1ヶ月拘束される大イベントなわけで。
それもOSRはカテゴリー1。ということは、乗員の3割以上は5年以内にサバイバルトレーニングも受けていなければならず。
と、出場にあたっては、艇も人も、敷居はかなり高いです。
その中で、3艇“も”集まったというのはなかなかなんじゃなかろうかと。

そんな猛者の3艇は、

1122トレッキー/1122TREKKEE

セールナンバー:JPN1122
艇種:ロジャーズ42
ホームポート:横浜(神奈川県)
オーナー:新田肇

Sail Number:JPN1122
Type:Rogers42
Home Port:Yokohama(Kanagawa Pref. JPN)
Owner:Hajime Nitta

ゼロ/Zero

セールナンバー:JPN5910
艇種:IMX40
ホームポート:広島
オーナー:山田克弘

Sail Number:JPN5910
Type:IMX40
Home Port:Hiroshima JPN.
Owner:Katsuhiro Yamada

パルマ2/PALMA2

セールナンバー:JPN7097
艇種:エリオット13
ホームポート:岡山県
オーナー:瀧本秀人

Sail Number:JPN7097
Type:ELIOT 13
Home Port:Okayama JPN.
Owner:Takimoto Hideto

となっています。

別に「沖縄-東海ヨットレース 2024」 共同主催:日本セーリング連盟、JSAF外洋東海 (4/29:沖縄与那原スタート)のレース公示も出ています。

「日本-パラオ 2024」から続けて考えると、北西太平洋の大三角形外洋レースとなるわけです。

その第一歩として、まずは「日本ーパラオ 2024」の参加全艇がスタートラインに並び無事完走することができますように。僅か3艇、されど3艇、、なのです。

 

-第一歩は
いや、改めて考えれば第一歩はその前「日本-パラオ 2019」ですでに踏み出していると言えますか。

「日本-パラオ 2019」の終了後の令和3年(2021)12月。実行委員会の主なメンバーが中心となって「日本パラオ青少年セーリングクラブ(JPYSC:Japan and Palau Youth Sailing Club)」が設立されました。

JPYSCの定款には、

第3条 目的
当クラブは、海で結ばれている日本とパラオ共和国両国の青少年に対してセーリングを基軸とした海洋文化の普及に関する活動(事業)を行うことにより日本とパラオ共和国の親善と友好の絆をより強固とすることを目的とする。

とあります。<https://jpysc.org/>

当初の主となる活動は、パラオの子供たちにOPクラスのヨットを寄贈すること。そこからヨットレースという楽しみを定着させること。

JPYSCの新田理事による第1回のパラオ訪問が2022年5月。

そして、パラオ側でも、2022年12月、パラオ・セーリング協会(PSA:Palau Sailing Association)が設立されます。

OPクラスディンギーの寄贈は「日本ーパラオ 2019」の開催が決まり、そのスタート前からすでに行っていました。

「日本-パラオ 2019」スタート前にOPディンギーの寄贈事業は始まっていた

「日本-パラオ 2019」の終了後はそれをさらに充実。現在のセーリング活動はPSA主催で行われるようになっています。
そのコーチとして、JPYSCからJICAを通して香川大学OBの仙田悠人さんが赴任。2023年の10月から2年の任期でパラオで青少年のセーリング活動を指導しています。

奮闘ぶりはこちら日パラ通信「悠パラ日記」に好評連載中。

今回「日本-パラオ 2024」のフィニッシュ後、「パラオ-沖縄 2024」スタートの3月31日までの間に、日本のジュニアセーラーが遠征してのOPクラスのレースも予定されています。

ここで育ったセーラーが、次回か次々回の「日本-パラオ 20XX」に勇躍参加する日を夢見て。