外洋ヨットレースと環境調査がコラボレーション

「2019-2020日本-パラオ親善ヨットレース」では、7艇の外洋レーサーが遠く1,726海里(約3,196km)離れた南洋の楽園パラオを目指します。
今回、あくまでも「競技」としておこなわれるヨットレースとは別に、レースに合わせて別の取り組みが実施される予定です。

プロジェクト名は、「Sailing Towards a plastic-free Ocean」
日本語に訳すと、「プラスチックのない海に向かってセーリング!」となるでしょうか。

この「日パラ通信」でも何回かお伝えしてきたように、今や海洋プラスチックをめぐる問題は、地球規模で大きな注目と関心を集めています。
海がフィールドとなるヨットレースだけに、最近ではいろいろな取り組みも耳にします。

日本-パラオ親善ヨットレースで、参加艇が走るエリアの大半は、陸から遠く離れた太平洋。
しかも、南北に走る商船なども少ないエリアとあって、見渡す限り一面が青い海、なんて時間がほとんどでしょう。
したがって、レース海域でなんらかの環境調査ができれば、それはサンプルとして大きな意味を持つことになります。

そんななか、今回のレースと環境調査のコラボレーションが実現。
伴走艇の〈みらいへ〉には、JAMSTEC(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)の研究員が乗り込みます。
〈みらいへ〉は、パラオまでの道中で、マイクロプラスチック採取装置によるサンプリングと、ニューストンネットによるネットサンプリングを実施予定。
さらにレース参加艇の〈1122トレッキー〉(新田 肇オーナー)にも、マイクロプラスチック採取装置を設置し、サンプリングが行われます。
現地での表彰式では、このサンプル結果について、まずは第一報が発表されることになっています。

ニューストンネット回収

〈みらいへ〉には、パラオの子供たち6人も乗り込み、約2週間の航海を共にします。
採取調査も一緒に行うほか、JAMSTECのスタッフが環境に関する船上授業を実施するプランも計画されています。

ヨットレースと環境調査の“協働”。
海で遊び、海で競技をする者だからこそできること──新しい取り組みにも注目してください。

[plastics-05 by ando]


「Sailing Towards a plastic-free Ocean」協働機関
国立研究開発法人 海洋研究開発機構
一般社団法人 グローバル人材育成推進機構(みらいへ運航)
株式会社商船三井
ヤマハ発動機株式会社
日本-パラオ親善ヨットレース実行委員会