年末年始の天候は

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2019年になりました。
明けましておめでとうございます。

「2019-2020 日本-パラオ 親善ヨットレース」は、“今年”の12月29日スタートです。
1年先の話ではありますが。
ということは、来年のちょうど今頃、レース艇団はフィニッシュ地点のパラオ島にさしかかっているところなわけで、年末年始のヨットレース、といえます。


年末年始のヨットレースといえば、「グアムレース」がありました。
年末に神奈川県の三浦市沖をスタートして目指すは、約1330マイル南のグアム島。

「日本-パラオレース」のレース展開を想像するのによろしいかと。

今から28年前、1990年12月28日スタートの「トーヨコカップ ジャパン-グアム ヨットレース’91」の記事が、NORC(日本外洋帆走協会)の機関誌『Offshore』誌に掲載されています。

日本セーリング連盟(JSAF)の外洋系ホームページ「on Breeze」から、閲覧できます。
『Offshore No.188』(1991年1月号)
『Offshore No.189』(1991年2月号)

ファーストホームの〈摩利支天〉(N/M68)が、5日20時間19分でファーストホーム。ここから計算すると平均艇速9.5ノット。1日の航走距離(デイラン)も平均227Mと、さすがに全長68ft、速いです。

対して、最小艇の〈エスメラルダ〉(J/33)で、9日1時間52分。平均6.1ノット。デイランが147M平均となります。
この艇には、若き日の筆者も乗っておりまして、スピンを揚げ続けて良い調子で走りきった記憶があるのですが、上記『Offshore』誌に掲載されている他艇のレースレポートによれば、途中かなり吹いたようで……。ディスマストしてリタイヤした艇も……。

詳しくは、『Offshore』の記事をじっくりお読みください。


この季節の気象パターンからすると、スタート後、小笠原あたりまでの航程が最初の関門になろうかと思われます。

上図は「パラオレース」がもしも昨年12月29日にスタートしていたら……というシミュレーションとして、スタートから3日後、2019年1月1日0900(JST)の天気図にレース艇団の予想位置を黄丸で書き込んだものです。

この年末年始は、緩い冬型の気圧配置が続き比較的穏やかな天候となりました。もう少しスローペースになるかも。

一方で、南シナ海には熱帯低気圧(TD)があり、その北側にはGALE WARNING [GW] が出ています。
この後、1500(JST)には台風1号(PABUK)となり、1951年以来最も早い台風の発生となりました。

とはいえ、この時期の台風はけして珍しいわけではありません。
これまでの記録では発生日時が最も早かったのが1月2日。最も遅い台風発生が12月30日。と、たまたま大晦日と元日だけがお休みだったというお話で。

実際は2月に台風の発生が少ない時期があるようですが、パラオレースの間も、南海上では台風に出くわす可能性はたしかにあります。ありますが、この時期に発生する台風は少なく、さほど発達しないようです。
レース艇団にとっては、日本の南岸を通過する低気圧の方が厳しいものになろうかと思われます。

これも、気象庁のサイトにある「日々の天気図」のサイトから、年末年始の天気図を集めてみました。

2016-2017

12月27日。
前線を伴った低気圧に吹き込む南寄りの強風で、レース艇は苦労しそう。

1月5日
低気圧が抜けると、冬型の気圧配置となり、北寄りの風を受けて、気持ちよく走れそう。

1月8日
……もつかの間、再び前線を伴った低気圧が通過。

1月9日
翌日には、台風なみに発達します。

あるいは、2015-2016

12月24日
低気圧の通過といっても、上の2016/12/27に比べれば比較的弱い低気圧で。まあ、これでも海上ではかなり吹くのでしょうが。

その後も弱い低気圧が頻繁に通過します。

1月18日
そしてこれ。3つ玉低気圧で、レース海面は広い範囲で強風が吹き荒れそうです。

と、どのタイミングで、どのくらいの低気圧に遭遇するか。「日々の天気図」サイトをじっくり見ていくと、パターンがなんとなく分かってきておもしろいです。

[race-03 by taka]