Daily Report 7 2020/1/5

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昨日のレポート⑥では、「風は横に周り……」なんて書いちゃったのですが、昨夜(1/4)夜8時のロールコールの時点では、先頭を航く〈アルタイル3〉こそ風向055度となっていますが、後続艇は020度から025度とまだまだ北っけ。〈チームパラオ・ミニー〉に至っては000度。北風です。
各艇苦労されているご様子は、FURUNOのトラッキングページからもうかがえます。

20:25から20:45頃のトラッキング

というところで、このロールコールに〈ラッキーレディ VII〉からの入電無し。トラッキングデータも艇速1ノットと怪しい動きが。

その後、
1/4 21:12 〈ラッキーレディ VII〉から衛星携帯電話(スラヤ)で横浜の大会本部に入電

・ワイルドジャイブ発生
・ものを落としたがすべて回収済み
※音声のひずみが大きく聞き取りが難しい
23-54N 135-52E

さらにその後、
1/5 07:23〈ラッキーレディ VII〉長江氏より

・昨晩、突風によりワイルドジャイブ
・1/4 21:06 エンジン始動 機走開始
・ジェネカーの回収に手間取る
・レース旗、落下、紛失
・突風が吹き続けており、夜間、バタバタしている状況のため、エンジンで安定させて走らせる
・1/5 07:17 機走停止 セーリング開始
・乗員、艇体異常なし
・22-52N、135-49E
・エンジン使用についてはレース後に申告する

とのこと。

ヨットレース中はもちろんエンジンを使った機走はできませんが、『帆走指示書』では、

18-1 参加艇は、RRS42.3(g)に加え、傷病人の為の上陸、悪天候を避ける目的、艇の修理等を目的とした緊急避難のために、エンジンによる推進方法を用いて島影、港湾に進入、着岸、または、支援艇や他の船に接舷することができる。更に艇と乗員の安全確保の為にもエンジンによる推進方法を使用しても良い。

RRS42.3(g) 危険な状態にある人員または他の船舶を救助するためには、どのような推進方法を用いてもよい。

また、今回のレースで適用されている『日本セーリング連盟 外洋レース規則2009』では、

第3条 エンジンの使用
落水者救助、遭難艇(船舶)救助、他の船舶との衝突回避(緊急避難)、離礁その他の緊急かつ切迫した事態に対処するためにエンジンを使用することができる。(RRS42.3(i)参照)但し、エンジンを使用した場合には、その状況(使用した目的・時間・場所等)について、フィニッシュ後レース委員会に速やかに報告しなければならない。

ともあり、そのいずれかに該当する事態だったということなんでしょう。

さらに、『帆走指示書』には、

18-2 前項の緊急避難行動を開始し、その後避難行動を完了してレースに復帰した場合
は、開始と復帰した時刻とその位置を報告書に記載し、レース委員会に報告しなければなければならない。

とあるので、上記連絡にある「……レース後に申告する」というのは、その報告ということです。
単に「バタバタしている状況のため」では機走が許される事態かどうかは分からないので、そのあたりの判断はフィニッシュ後正式な報告書が提出され、それを元にジュリーが裁定することになると思われます。

いずれにしろ “乗員、艇体異常なし” とのことで安心しました。


スタート時の〈ラッキーレディ VII〉

〈ラッキーレディ VII〉は、静岡県は熱海からの出場。
といっても、NORC(日本外洋帆走連盟)時代から関東の重鎮で、〈ラッキーレディーⅤ〉ではグアムレースでも優勝。「グアムレース? 4~5回出たな。回数は忘れた。シドニーホバートも出たし」と言うくらいの大御所で、今回のメンバーも77歳の重鎮お二人を含めて平均年齢は68.1歳。
といっても見た目はお若いです。77歳で、1700マイルも走って南の島へ行こうっていうんですよ。

よく、「ヨット界は年寄りばかり」と嘆く声を聞きますが、定年退職後にも本気で楽しめるスポーツってなかなか無いと思うので、これは良いことなんじゃなかろうか、と。


そしてこちら、レース序盤の12月31日朝0800のロールコールポジションとそこに至る航跡。

12/31 0800のポジションとそれまでの航跡に、同日 0000のウインドマップを重ねてみた

昨日の「Daily Report 6」でも挙げたものですが、今回は、8時間前の12月31日00:00(12/30 2400)のウインドマップと重ねてみました。
昨日話に出た〈マンデーナイト〉が八丈島沖でクルクルしている頃の風になります。
〈ラッキーレディ VII〉の航跡からも、苦労の跡がにじみ出ます。

平均年齢68歳〈ラッキーレディ VII〉のみなさま

ラッキーレディ VII / Lucky Lady VII
セールナンバー:JPN6400
艇種:Beneteau 50
ホームポート:スパ・マリーナ熱海(静岡県熱海市)
オーナー:稲葉文則

スキッパー 稲葉文則 75歳 静岡県熱海市
副艇長   長江博人 68歳 千葉県松戸市
ナビゲータ 大谷純夫  66歳 東京都新宿区
      吉澤邦夫  77歳 静岡県熱海市
      田中毅   72歳 神奈川県横浜市
      河島常一  67歳 神奈川県小田原市
      藤原一士  56歳 東京都昭島市
      川久保史郎 77歳 東京都武蔵村山市
      齋藤充也  66歳 宮城県岩沼市
      瀧本秀人  57歳 岡山県倉敷市

「いやー、レースになんか出るつもりじゃなかったんだけどさ。クルージングのつもり」という稲葉オーナー/スキッパー。

パラオフィニッシュ後、表彰式(1/15)を終えてから、インドネシア、フィリピン、台湾とクルージングし、ダイビングやらなんやら楽しむ予定。
インドネシアでは、こちら「日パラ通信」でも紹介した、香料諸島を巡るそうな。

日本へは4月上旬、石垣島から。以降、奄美、鹿児島経由で4月末に母港熱海へ戻るという、なんとも壮大に遊び回る平均年齢68歳です。
ここだけでもニュースにしていいくらい。

1/5 0800のロールコールポジションをその時間のウインドマップに重ねた図

さて、本日、1月5日朝8時のロールコールポジションが、上図。

やはり、昨日の予想より進んでませんね。
最も走った〈アルタイル3〉でデイラン186マイルです。200マイルいくかと思ってたんですが。

とはいえ、今朝、1/5 0800のロールコールでは、先頭集団には上図のように良い風が入ってきているようで、〈マンデーナイト〉や〈1122トレッキー〉は10ノット以上出ています。

というところで、
1月5日 0800頃の「暫定非公式修正順位」は、

1位〈アルタイル3〉(30.8)
2位〈テティス4〉(29.4)
3位〈1122トレッキー〉(16.7)
4位〈チームパラオ・ミニー〉(14.5)
5位〈マンデーナイト〉(0.0)
6位〈ラッキーレディ VII〉(-1.7)
7位〈翔鴎〉(-26.8)

と出ています。

依然として〈アルタイル3〉が快走。〈テティス4〉が必死に食らいついてるところに、〈1122トレッキー〉が追い上げてきている。という展開です。

これから明日にかけて、今度こそ、本当に、マジで、カッ飛びそうですぞ。

明日(1/6)朝8時のウインド予想。楕円は同時刻の艇団の予想位置

注:この「Daily Report」は、「日本-パラオ親善ヨットレース」実行委員会が公式に配信する情報ではありません。高槻和宏個人の責任で配信するレースレポートです。
公式情報は、公式掲示板に公示されます。

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