Daily Report 4 2020/1/2
スタートから4日めとなります。
1月2日 朝8時のロールコールでのポジションがこちら。
FURUNOのトラッキングページの航跡も重ねてみました。手作業なので、あまり正確ではありませんが。
海流の図に重ねても面白いかな。
黒潮を横切って西側に周ってから南下した〈アルタイル3〉。
その後、風は北西から北へ振れ、西側(艇上から見て右海面)から〈テティス4〉の前に出たようです。
〈アルタイル3〉は北海道は小樽からの出場。
今村琢也オーナーは歯科医。1700マイルも走る長距離レースでは、艇上に医師がいるというのはホント心強いはずです。
今村オーナーから全権を託された菊池透スキッパーは、かつてアメリカズカップに挑戦したニッポンチャレンジのメンバーで、現在の職業は、「海を愛するナチュラリスト」……と書いといて、と言われたのでそうします。
猛者揃いのニッチャレメンバーの中でも、外洋を走らせればこの人の右に出る者なし、の経歴を誇ります。
加えて、セールメーカーの中村匠。プロセーラーの荒川海彦、鈴木晶友、と、メンバーを固めてきています。
インショアレースで鳴らす中村匠ですが、長距離レースは今回が初挑戦。対して荒川海彦は「シドニー・ホバートレース」や「トランスパックレース」など、長距離レースでも実績十分。そして、外洋レーサーとして売り出し中のマサ鈴木こと鈴木昌友は、『バルクヘッドマガジン』が選ぶ “2019年いちばんのヨット馬鹿” 「セーラー・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。
大晦日に発表されたので、海の上にいる “ヨット馬鹿” 本人は分かっているのか?いないのか?
アルタイル3/Altair III
セールナンバー:JPN6520
艇種:X-41 OD
ホームポート:小樽港マリーナ(北海道小樽市)
艇長 菊池透 61歳 北海道小樽市
オーナー 今村琢也 55歳 北海道札幌市
ナビ 鈴木晶友 34歳 神奈川県逗子市
木田修二 57歳 北海道小樽市
池田信司 51歳 北海道札幌市
川村忠 51歳 北海道小樽市
荒川海彦 41歳 神奈川県横浜市
中村匠 40歳 神奈川県葉山町
歯科医、海を愛するナチュラリスト、セールメーカー、プロセーラー、ヨット馬鹿、小樽のオリジナルメンバーは保険屋と石屋。医療に加え保険から墓石まで用意できる最強の布陣で、優勝候補ナンバーワンともくされる〈アルタイル3〉が、レース序盤の荒天をくぐり抜け、第2ステージに差し掛かるところでフリート最前線に踊り出てきたわけで。
となると、
そろそろ修正順位の計算しないと、勝ち負けがわからない状況に……。
で、これが結構難しいというのは、前に書きました。
シンプルな方法──前日のデイランから、フィニッシュまでの距離(残航)を何時間で走れるかを計算し、到着予定時間(ETA)を出す。というシンプルな方法で、1月1日、0800時点での修正順位を予測したところ、
修正1位〈チームパラオ・ミニー〉、2位〈アルタイル3〉、3位〈テティス4〉
と出てしまいました。
この時点では、〈テティス4〉の残航は1345NM、〈アルタイル〉は1350NMと、TCFの大きい〈アルタイル〉の方が僅かながら後ろにいるにもかかわらず、です。
これは、前日のデイランが〈アルタイル3〉169NMで、〈テティス4〉の154NMと比べ大きく距離を伸ばしているため、このまま残り1350マイルを走れば逆転して差を広げた〈アルタイル3〉が勝つだろう、という計算になるからです。
いやいや、ここでは、1月1日午前8時時点での勝ち負けを判断したいわけで、
やっぱり、このシンプルな方法では、途中経過で修正の暫定順位を計算するのは無理そうです。
そこで、前に書いた、新たな方法 “持ち時間” システムで計算してみました。
結果、
修正暫定1位〈テティス4〉(19.2)、2位〈アルタイル3〉(15.5)、3位〈チームパラオ・ミニー〉(15.4)
と出ました。数値は時間で、TCF最大艇〈マンデーナイト〉を基準としたもの。数字が大きいほど勝っていることになります。
この方法で計算した、今朝の修正暫定は、
1月2日0800頃の暫定修正順位
1位〈テティス4〉(20.8)
2位〈アルタイル3〉(18.8)
3位〈チームパラオ・ミニー〉(13.1)
4位〈1122トレッキー〉(6.1)
5位〈ラッキーレディ VII〉(4.2)
6位〈マンデーナイト〉(0.0)
7位〈翔鴎〉(-41.0)
となりました。
残航をFURUNOのトラッキングページの数値から入れたので、 “0800頃” となっています。
この計算方法も、これで良いのか? ちょっと試行錯誤の途中ですが。
数学脳の高い方に協力願えるといいんですが。合ってるかな?これで。
フリートはラムラインに寄せてきていますが、風速は8ノットから10ノットとソフトです。
この後もしばらく軽風のダウンウインドが続きそうです。
4日でもこんな感じ。艇団が移動すると共に、風も付いてくる感じか。
この後、風は時計回りに振れきって左舷から風を受けてのリーチングになるのは99%決定事項として。
そこへ至る微妙に風が振れるこのダウンウインドは、ナビゲーター、タクティシャンの腕のみせどころ。
ドライブチームもいかに集中し100%の艇速(VMG)を維持できるか。
レースは、第2ステージの入口に入っています。
[race-27]
伴走の〈みらいへ〉も南下しているようです。
注:この「Daily Report」は、「日本-パラオ親善ヨットレース」実行委員会が公式に配信する情報ではありません。高槻和宏個人の責任で配信するレースレポートです。
公式情報は、公式掲示板に公示されます。