Daily Report 1 2019/12/30

[race-24]

「日本-パラオ親善ヨットレース」は、昨日(12/29)13時30分、定刻通り横浜ベイサイドマリーナ沖をスタートしました。

参加7艇はいずれも日本艇。よって、船尾には日本国旗を。
マスト右舷側には、行き先のパラオ国旗を掲げてのスタートです。

このパラオ国旗は、前夜祭(12/28)で来日中のレメンゲサウ大統領から直接参加各艇のスキッパーに手渡されたものです。


スタートからコードゼロ(リーチング専用のセール)を揚げて飛び出していったのが北海道は小樽からやってきた今村琢也オーナーの〈アルタイル3〉。神奈川県三浦三崎の〈1122トレッキー〉(新田 肇オーナー/スキッパー)、三重県津の〈マンデーナイト〉(井上卓郎オーナー/スキッパー)もこれに続きます。

北寄りの風、5~6ノット。穏やかな年末の日曜日。
正規のスタート前には横浜港内でセレモニースタートが行われ、……実を言うと、閑散としたセレモニーになりはしないかと心配していたのですが。いやいやこれがどうして。伴走する練習帆船〈みらいへ〉と、パラオ大統領の乗り込む大型ヨットに加え、多くの観覧艇が見送る中でのパレードとなりました。

〈みらいへ〉には、OP級のヨットレースのために来日していたパラオのジュニアセーラー6人も乗り込んでいます。

〈みらいへ〉のパラオ到着は、1月14日の予定。
16日間に渡る長い長い航海になりますが、その間、マイクロプラスチック採集のために〈みらいへ〉に乗り込んだJAMSTEC(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)の千葉早苗先生と、国連(UN)世界自然保全モニタリングセンター(WCMC)の準研究調整官(ASSOCIATE PROGRAMME OFFICER)であるホリー・グリフィン(Holly Griffin)先生から、海洋リテラシーについてみっちりと授業があるもよう。

こちらは、〈みらいへ〉船上からもTwitterなどで情報発信があります。


風は徐々に弱まりながらも、参加7艇は浦賀水道航路の西外側をリーチングで観音埼まで一直線。

4人のパラオ人セーラーも乗り組んだ日本艇〈チームパラオ・ミニー〉(渡真利将博オーナー・スキッパー)は沖縄県宮古島からの出場。双胴のヨットで、レース艇というよりクルージング仕様。
同じくクルージング仕様の2艇、神奈川県横須賀の〈翔鴎〉(茅島春彦スキッパー)、静岡県熱海の〈ラッキーレディ VII 〉(稲葉文則オーナー・スキッパー)が続きます。

〈アルタイル3〉、〈1122トレッキー〉、〈マンデーナイト〉は、コードゼロからジェネカーに代え、水平線の彼方へと進む頃、冬の陽も早々と沈んでいきました。

一晩走り、12/30 0400頃の各艇のポジションをウインドマップ上に落とすとこんな感じ。

公式ホームページ上にあるFURUNOのトラッキングは、各艇30分に1度の更新になります。
スイッチを入れる時間が弱冠ことなるため、完全にシンクロはしていません。
いまのところ、〈マンデーナイト〉、〈チームパラオ・ミニー〉、〈アルタイル3〉はだいたい同時刻。
〈翔鴎〉、〈1122トレッキー〉、〈ラッキーレディ VII 〉は約30分ずれて、神奈川県三浦市の〈テティス4 〉(児玉萬平オーナー・スキッパー)がその中間という感じ。
それを手作業でプロットした図なので誤差はありますが、まあこんなもんでよろしいかと。

で、その〈テティス4 〉が夜中のうちにグングンと追い上げてきているようです。

おそらくこの段階ではまだ北寄りの風だと思うのですが、このあと風は南から。そしてどんどん吹き上がってくる予想です。

図中の青矢印は風向、楕円はその頃にはだいたいこのあたりまで進んでいるのではないかと思われる艇団の位置。

この風は西に振れながらさらに強まる予想です。
これは99%あたるはず。

となるとどのようなコースをとればいいのか……。
左右に広がった艇団各艇は、それぞれの思惑があるはずです。

と、ここで、もう一つの要素として黒潮があります。

潮汐──つまり満潮干潮で流れる潮とは別に、ほぼ一定方向の流れを海流といいます。
日本の南を流れる黒潮も海流です。

一定方向といっても、この図のように複雑に蛇行しています。(水色矢印)

で、北上する流れが今回のパラオまでの最短コース(図中の赤点線の矢印)上とピッタリ重なってしまう感じ。

ちなみに、風は北から南に向かって吹く風を「北風」といいますが、潮の流れは南から北への流れを「北流」といいます。

で、この北流部分。1.5ノットから2ノットくらいで流れているようなので、流れに逆らうのは損……なばかりか、極めて悪い波が立つことでも有名なんです。

そこで、先頭の〈テティス4 〉と〈アルタイル3〉は北上する黒潮の東側を避けるようにコースを選んでいるもよう。

一方、〈1122トレッキー〉は大きく西に出しています。
なんでまた、と思うかもしれませんが、これは黒潮の西側を大きく交わす作戦かと思われます。

いやー、面白くなってきたゾ。

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注:この「Daily Report」は、「日本-パラオ親善ヨットレース」実行委員会が公式に配信する情報ではありません。筆者、高槻和宏個人の責任で配信するレースレポートです。
公式情報は、公式掲示板をごらんください。