レース観戦ガイド(予測編)

[race-23]

ラグビーのルールが良く分からなくて。

でも、せっかくのワールドカップだからなぁ。
と、ネットで調べてたら、キモは “オフサイド” だったのです。

サッカーの “オフサイド” と全然違うんだよなぁ。
私、なまじ中学時代はサッカー部だったもので……そこが、「ラグビーは難しい」の原因でした。
ラグビーにおける “オフサイド” をなんとか理解したら、「ラグビー面白ーい」となったわけ。

じゃあ、ヨットの場合の “キモ” はナニか?

ヨットは風の力だけで走っているので、風上に向かうか風下に向かうか。
逆にいえば、風は前から吹いてくるか後ろから吹いているか。この違いは大きいです。

向かい風より追っ手の方がスピードは出るに決まってますが、
真後ろからの風だと、意外や速く走れなかったりして。

このあたり、文字で説明するのは難しいので、動画を造ってみました。

ラグビーのルールも、YouTubeのアニメ動画で覚えたんで。
ヨットレースの方も動画でと思いまして。


と、風が頼りのヨットレース。12月29日スタートの「日本-パラオ親善ヨットレース」では、いったいどんな風が吹くのでしょうか。

今日(12/21)時点で予想したスタート時(12/29)の海況が出ています。

12/21時点でのスタート時12/29(13:00)の予想図

横浜のスタートエリアは穏やかそうです。が、西には低気圧が……。

そしてこちらが、翌日、12月30日正午の予想になります。
今回のレース海面は、第1ステージと第2ステージに分けて考えると分かりやすいです。

スタート翌日、12/30(12:00)の予想図

レース後半の、
北緯25度くらいから南が第2ステージ。上図の青く囲った海域。
赤道にできた低圧部に吹き込む北東から東よりの風が貿易風。
レース後半はこの貿易風を左舷から受けるポートタックのリーチングで一気にパラオを目指します。
気温も上がり、良い調子で走れるはず。

となると、問題はその前。横浜(35-23.0N)から、北緯25度くらいまでの第1ステージですね。
日本の南岸を東進する低気圧の影響で、吹いたり凪いだり。特に八丈島(北緯33-06)を交わすあたりまでは、黒潮の影響で波も荒く、低気圧が通過するタイミングによっては艇上は修羅場となります。
逆に第1ステージ終盤、第2ステージとの境目あたりには無風域が出現することも。

低気圧の前面(南東側)では南寄りの風でアップウインドになり、前線通過後にはダウンウインドになり。
このあと風はどちらに振れるのか。先を見越した戦略戦術を駆使し、いかに良い位置で第2ステージのリーチングレグを迎えるか。
このあたりが勝負になりそうです。


というタイミングで、
PHRFの正式なTCFリストが出ました。

→こちら

PHRFについては、

こちらで。

といっても、数字の羅列だとピンと来ないので、ちょっとシミュレーションしてみます。

まず、先頭艇のフィニッシュ──つまり、ファーストホームはいつ頃になるか。

[TCF:0.909]と今回のエントリー艇中でもっとも速く走らなくてはならないのが〈マンデーナイト〉(Class40)。
ダブルハンドの大西洋横断レース「TRANSAT Jacques VABRE 2019」では、同じClass40のファーストホーム艇が17日16時間で走っています。4350マイルとのことですから、デイラン(1日の航走距離)が平均255マイル。速いですねぇ。
前にこの「日パラ通信」で書いた「91-92 グアムレース」では、68ftの〈摩利支天〉(N/M68)でもデイラン平均227Mなんで。技術の進歩はすごいです。
まあ、同じClass40でも、後ろの方は22日ぐらいかかってますから、……デイラン197マイル。

というあたりから、〈マンデーナイト〉で8日間から9日間。1月6日か7日にフィニッシュかなと、勝手に予想してみます。
となると、
12月29日 13:00横浜スタートで、〈マンデーナイト〉が1月7日 夜中の1時にフィニッシュしたとして、、、、

修正タイムが同タイムになるフィニッシュ時間を逆算してみました

逆算するとこんな感じ。
これより早く入れば後続艇の勝ちということになります。
最大艇と最小艇で28時間22分の差。あくまでも最大艇が8.5日で走りきった場合の計算ですが。

スタート後の予想ポジションをチャート上に重ねてみると……

スタート後の予想位置はこんな感じ? 一番大きな丸で直径が200Mです

こちら、バックの画像は、12/23時点で予測された「12/30 1200」の気象図です。
スタート後に南岸を通過する低気圧が、12/21の予測からちょっとパワーアップしています。

気象予想のサイトもネットにいろいろあります。今回はWindy.comを使ってみます。

画面右下の茶色ボタン左側「ECMWF」は、欧州中期予報センター(European Centre for Medium-Range Weather Forecasts)。
右の「GFS」は、NOAA(アメリカ海洋大気庁)のGFS(Global Forecast System)と呼ばれる全地球モデルです。
ボタンを押すと切り替わります。
天気予報というより、コンピュータでシミュレートした予測モデルと言った方がいいのか。

これで12/21時点で予測するスタート時の東京湾を見てみると……

12/21時点での12/29の予想図

EFモデルだと南風。GFモデルでは北風。と、風向が逆になってました。
はい、8日も先だとAI予測はあまりあてにならないかも。両者でアップデイトのタイミングも違うし。

さてさて、実際はどうなるか?
良く分からないところが、ヨットレースの面白いところなのです。

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—(12/24)横浜スタートの時間が、午後1時から午後1時半に変更になっています。スタート時刻は、天候によっても変更されることがあります。