Daily Report 6 2020/1/4

[race-29]

1月4日 午前8時のロールコールでのポジションはこちら。

1/4 0800のロールコールポジションをウインドマップに重ねた図

先頭を行く〈アルタイル3〉は残航855マイル。残る4艇も1000マイル切りました。
……っていっても、やっと半分ということですが……。
〈アルタイル3〉には、貿易風が入っているもよう。
緯度が高くなるにつれて、まだソフトな風域……という状況のようです。

〈アルタイル3〉はスタート直後の12/30昼間、大きく西へ伸ばしています。黒潮の北流域を交わし、かつ艇団の西に位置するという戦略だと思われますが。今こうして見ると、ラムラインからさほど外さずに南下しています。
ラムラインに沿って走るのは、最短コースで走るということでもあるわけで、長距離レースでの基本の基本といえます。

1/3 0230頃、ちょうどラムライン上で(おそらく)ジャイビングしてそのままポートタックで伸ばしているんだと思いますが、このまま風はどんどん東へ振れ切ると読んでのタイミングかと。
実際に航跡は徐々に右へ曲がっているように見えます。風向というより、この時点では風速が増して、その分バウダウンできているのかもしれませんが。

前にも書いたように、FURUNOのトラッキング画面は約30分毎に更新されるものなので、そのあたりも勘案して見なければなりません。

ラムラインに沿って……ということでは、〈マンデーナイト〉が最もそれに忠実かと。

ようやく走り始めた、〈マンデーナイト〉ですが、こちら、大晦日の朝8時頃の航跡です。
八丈島の西で、なにやらクルクルしてます。

12/31 0800頃のFURUNOトラッキング図

〈テティス4〉あたりの海域ではドン吹きでヒーヒー言っている頃ですが、ウインドマップに重ねるとこんな感じ。

12/31 0800頃のポジション。青矢印は主な風向。風速は右下のスケールの色で分かる

改めて、FURUNOトラッキング画面から、ちまちまと手作業で航跡を描き写してみたのですが、いやー、各艇の苦労が偲ばれます。ハイ、尺を合わせて描き写すのも大変でした。多少の誤差はご容赦を。

〈マンデーナイト〉の位置ではそれほど吹いてはいなかったはずで、ロールコールでも風向240度15ノット、波高1mとの報告になっています。ウインドマップのデータでもそんな感じですね。
ロールコールでは特にトラブルの報告は無かったようで。それではここで何があったのか、のちほどゆっくりとお聞きしたい部分です。

12/31 0800頃のポジションに黒潮の流れを重ねてみた図。水色矢印が主な流向

潮流情報図を重ねるとこんな感じで、いやいや、〈マンデーナイト〉は黒潮ど真ん中。真正面から男の対決って感じ。果敢です!! 横切った〈アルタイル3〉の航跡も良く分かります。北に膨らんでいるのは、黒潮に流されているということか。


三重県の津ヨットハーバーからやってきた〈マンデーナイト〉は、元はといえば琵琶湖の出身。琵琶湖生まれのトビウオ……て書いといてね、と言われてます。

3人の共同オーナーで運営する〈マンデーナイト〉ですが、広く大海原に出ようと決心し、この前に乗っていたスプリント50の〈マンデーナイト〉も含めて沖縄レースには5回出場。すごい。
前回、「沖縄-東海 2016」では3位に入りトビウオ大躍進。で、今回はパラオまでの1700マイルに挑みます。

沖縄レースでは8人乗りだったようですが、今回は僅か5人乗り。
といっても、このフネClass40はショートハンドで乗るように開発された艇で、〈マンデーナイト〉も改造を重ね、2人がデッキにいればリーフやセールチェンジの作業まですべてできるようになっているそうな。

スタート時。速そうでしょ。まだ本気出してないだけ

今回の出場7艇の中では、最も外洋長距離レース向きな艇といえ、そのためTCFは参加艇中最大の0.909。左右に750kgのウオーターバラストを持ち、ということは体重75kgのクルー10人がハイクアウトするようなもので。おそらくリーチングの1本コースとなるここから先で、そのスピードを見せつけてもらえそうです。

〈マンデーナイト〉のみなさん

マンデーナイト/Monday Night
セールナンバー:JPN6757
艇種:クラス40
ホームポート:津ヨットハーバー(三重県津市)
オーナー:岡田清春/佐久川圭司/井上卓郎

スキッパー  井上卓郎 52歳 滋賀県湖南市
ナビゲーター 中西満男 48歳 福井県敦賀市
       井上篤  59歳 岐阜県各務原市
       柳田進  59歳 京都市右京区
       鈴木祥郎 29歳 静岡県御殿場市

脳外科医の井上オーナー/スキッパー率いる琵琶湖のトビウオ〈マンデーナイト〉。走りはここから、です。


さてそうなると、気になるのが修正での順位ですが……。

すいません。途中経過としての修正順位。計算方法を変えてみました。
朝8時頃の暫定として、 “持ち時間” の概念はそのままに、艇速を前日のデイランから出した平均艇速としてみました。
FURUNOのトラッキングページに出る残航を入力するだけなので作業が楽で、おまけにデイランや、そこからシンプル法でもETA(到着予想時間)を同時に計算できます。

で、1月4日 0800頃の修正暫定順位は、

1位〈アルタイル3〉(24.3)
2位〈テティス4〉(24.1)
3位〈チームパラオ・ミニー〉(14.7)
4位〈1122トレッキー〉(13.0)
5位〈マンデーナイト〉(0.0)
6位〈ラッキーレディ VII〉(-7.6)
7位〈翔鴎〉(-28.6)

と出ました。
数字はTCF最大の〈マンデーナイト〉を基準とした “時間差” です。

〈アルタイル3〉は〈テティス4〉に0.2時間(12分)差で逆転首位に立ったという意味。
〈1122トレッキー〉はまだ10時間以上離されている、ということです。
絶対値ではないので、目安ですけど。

艇団は、この後、全艇貿易風帯に入りそうです。

1/5 0800の予想ウインドマップ。楕円はそのときの艇団の予想位置

風向も横に周り、先頭の〈アルタイル3〉あたりはデイラン200マイル越すかなと思い、予想位置(黒楕円)もこんな感じで。

冒頭で「やっと半分」なんて書きましたが、シナリオ的にはもう終盤といっていいのかも。

注:この「Daily Report」は、「日本-パラオ親善ヨットレース」実行委員会が公式に配信する情報ではありません。高槻和宏個人の責任で配信するレースレポートです。
公式情報は、公式掲示板に公示されます。

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