レース観戦ガイド(予測編)
ラグビーのルールが良く分からなくて。
でも、せっかくのワールドカップだからなぁ。
と、ネットで調べてたら、キモは “オフサイド” だったのです。
サッカーの “オフサイド” と全然違うんだよなぁ。
私、なまじ中学時代はサッカー部だったもので……そこが、「ラグビーは難しい」の原因でした。
ラグビーにおける “オフサイド” をなんとか理解したら、「ラグビー面白ーい」となったわけ。
じゃあ、ヨットの場合の “キモ” はナニか?
ヨットは風の力だけで走っているので、風上に向かうか風下に向かうか。
逆にいえば、風は前から吹いてくるか後ろから吹いているか。この違いは大きいです。
向かい風より追っ手の方がスピードは出るに決まってますが、
真後ろからの風だと、意外や速く走れなかったりして。
このあたり、文字で説明するのは難しいので、動画を造ってみました。
ラグビーのルールも、YouTubeのアニメ動画で覚えたんで。
ヨットレースの方も動画でと思いまして。
と、風が頼りのヨットレース。12月29日スタートの「日本-パラオ親善ヨットレース」では、いったいどんな風が吹くのでしょうか。
今日(12/21)時点で予想したスタート時(12/29)の海況が出ています。
横浜のスタートエリアは穏やかそうです。が、西には低気圧が……。
そしてこちらが、翌日、12月30日正午の予想になります。
今回のレース海面は、第1ステージと第2ステージに分けて考えると分かりやすいです。
レース後半の、
北緯25度くらいから南が第2ステージ。上図の青く囲った海域。
赤道にできた低圧部に吹き込む北東から東よりの風が貿易風。
レース後半はこの貿易風を左舷から受けるポートタックのリーチングで一気にパラオを目指します。
気温も上がり、良い調子で走れるはず。
となると、問題はその前。横浜(35-23.0N)から、北緯25度くらいまでの第1ステージですね。
日本の南岸を東進する低気圧の影響で、吹いたり凪いだり。特に八丈島(北緯33-06)を交わすあたりまでは、黒潮の影響で波も荒く、低気圧が通過するタイミングによっては艇上は修羅場となります。
逆に第1ステージ終盤、第2ステージとの境目あたりには無風域が出現することも。
低気圧の前面(南東側)では南寄りの風でアップウインドになり、前線通過後にはダウンウインドになり。
このあと風はどちらに振れるのか。先を見越した戦略戦術を駆使し、いかに良い位置で第2ステージのリーチングレグを迎えるか。
このあたりが勝負になりそうです。
というタイミングで、
PHRFの正式なTCFリストが出ました。
PHRFについては、
こちらで。
といっても、数字の羅列だとピンと来ないので、ちょっとシミュレーションしてみます。
まず、先頭艇のフィニッシュ──つまり、ファーストホームはいつ頃になるか。
[TCF:0.909]と今回のエントリー艇中でもっとも速く走らなくてはならないのが〈マンデーナイト〉(Class40)。
ダブルハンドの大西洋横断レース「TRANSAT Jacques VABRE 2019」では、同じClass40のファーストホーム艇が17日16時間で走っています。4350マイルとのことですから、デイラン(1日の航走距離)が平均255マイル。速いですねぇ。
前にこの「日パラ通信」で書いた「91-92 グアムレース」では、68ftの〈摩利支天〉(N/M68)でもデイラン平均227Mなんで。技術の進歩はすごいです。
まあ、同じClass40でも、後ろの方は22日ぐらいかかってますから、……デイラン197マイル。
というあたりから、〈マンデーナイト〉で8日間から9日間。1月6日か7日にフィニッシュかなと、勝手に予想してみます。
となると、
12月29日 13:00横浜スタートで、〈マンデーナイト〉が1月7日 夜中の1時にフィニッシュしたとして、、、、
逆算するとこんな感じ。
これより早く入れば後続艇の勝ちということになります。
最大艇と最小艇で28時間22分の差。あくまでも最大艇が8.5日で走りきった場合の計算ですが。
スタート後の予想ポジションをチャート上に重ねてみると……
こちら、バックの画像は、12/23時点で予測された「12/30 1200」の気象図です。
スタート後に南岸を通過する低気圧が、12/21の予測からちょっとパワーアップしています。
気象予想のサイトもネットにいろいろあります。今回はWindy.comを使ってみます。
画面右下の茶色ボタン左側「ECMWF」は、欧州中期予報センター(European Centre for Medium-Range Weather Forecasts)。
右の「GFS」は、NOAA(アメリカ海洋大気庁)のGFS(Global Forecast System)と呼ばれる全地球モデルです。
ボタンを押すと切り替わります。
天気予報というより、コンピュータでシミュレートした予測モデルと言った方がいいのか。
これで12/21時点で予測するスタート時の東京湾を見てみると……
EFモデルだと南風。GFモデルでは北風。と、風向が逆になってました。
はい、8日も先だとAI予測はあまりあてにならないかも。両者でアップデイトのタイミングも違うし。
さてさて、実際はどうなるか?
良く分からないところが、ヨットレースの面白いところなのです。
[race-23]
—(12/24)横浜スタートの時間が、午後1時から午後1時半に変更になっています。スタート時刻は、天候によっても変更されることがあります。